総合政策とデザインの関係を考える # 2(2025.4.24)



 主に1年生を対象に開講している「メディア情報入門」において,総合政策という学びの中で「デザイン」を考えるきっかけとなるように連続で関連の講義を行っています。第2回となる4月22日(火)にはNPO法人エイブル・アート・ジャパン代表理事の柴崎由美子さんにご登壇いただきました。「〈障害〉はどこにある? アートと福祉,メディアとしてのアート」をテーマに,事務局のある宮城県仙台市よりオンラインでご講演いただき,芸術表現を軸とした障害を持つ人々の社会参加を促す仕組みに関する多くの事例に触れる機会となりました。「障害と私たちは常に隣り合わせである」という前提を共有された後,デザイナーとの協働により障害を持つ人々が制作した創造物・造形物をプロダクトとして流通させる実践,また行政に対して行った政策提言をベースとした障害を持つ方々が社会参加できる場作りなどの紹介が有り,多くの学生の関心を惹き付けていました。さらには文字や言葉に依拠した合理的なコミュニケーションが重視される社会状況がある中で,感性の表出としてアートは,多様な人の経験や思いを共有できる重要な言語であることも指摘され,社会包摂(ソーシャル・インクルージョン)を考える上で,誰しもが自由に活用したいツールであることを受講者の多くが認識できる素晴らしい機会になりました。