Narrative Use in Design 2020-2021
人々の「物語」に着目した価値デザイン(産学連携プロジェクト)
対話型のリサーチ手法「ナラティブ・アプローチ」を応用し,3Dスキャニング・データと人々の多様なストーリーの融合を図る
Illustration: Rahiman Rahizar(M2)
神社仏閣等の貴重な文化遺産は本来備え持つ宗教的価値だけではなく,長い歴史を経て地域コミュニティに根付く中で,
それは周辺住民にとって極めて日常的な存在となっている。言い換えればそこは,人々に寄り添い,生活に欠くこと
のできない公共性を有する空間,であると言える。本研究では,文化遺産が持つこれまでの歴史の中で培われた価値だ
けに注目するのでは無く,文化遺産と周辺環境における「今」の記録を通じて得られる現在進行形の価値を提示し,
未来に向けて人々と共にある文化遺産の継承・発展に寄与するコンテンツの制作研究を行うものである。具体的には,
対話型のリサーチ手法「ナラティブ・アプローチ」を応用し,文化財の3Dスキャニング・データと,取材地から抽出さ
れた多様なストーリーの融合を図り,新しい体験型コンテンツの提案を行った(リサーチドキュメント納品)。
ディレクション:池側隆之
リサーチ&データヴィジュアライゼーション:門脇明日香(M1),李珍(M1),Rahiman Rahizar(M2),
大田彩香(B3),加藤有希菜(B3),代末菜奈(B3)
※京都工芸繊維大学在職時(2013-2021)のプロジェクト。()内の表記はいずれも同大学における当時の学年。
連携企業:KYOTO’s 3D STUDIO株式会社
※ プロジェクトの性格上,最終成果物の画像は公開できませんのでご了承ください
2021
category : Fieldwork, New Narrative, Media Design
Inujima Research Design Project 2016-2019
映像利用に基づく,地域コミュニティのための統合型コミュニケーション・デザイン研究
風土・文化・歴史をヴィジュアル・リサーチする作業を通じてこれからのコミュニティとメディア,そして価値循環型デザインのあり方を検討する
Illustration: Rahiman Rahizar(M2)
2016年に池側研究室では,岡山県・犬島を舞台とするプロジェクトとして,デザインリソースとして地域固有の文化や歴史を
記録・保存する質的リサーチのアプローチと,それらの視覚情報を実際に活用した地域振興等のデザイン活動がシームレスに
展開できる映像利用メソッドを実証的に検討する作業に着手しました。島民のみなさんとの関係を構築を行いながら,島の価
値を多くの人々と共有するコンテンツやヴィジュアルデザインの作成,また島民の皆さんが主体となっている発行物のエディ
トリアル等を担当しています。
ディレクション:池側隆之
プロジェクトメンバー:
2016年度
大迫美咲(デザイン学専攻M1)
駒井涼(デザイン学専攻M1)
鶴田大翔(デザイン・建築学課程B4)
在間夢乃(デザイン・建築学課程B4)
田中友丈(デザイン・建築学課程B3)
2017年度
大迫美咲(デザイン学専攻M2)
駒井涼(デザイン学専攻M2)
Atheer Alsoghayer(デザイン学専攻M1)
鶴田大翔(大学院研究生)
田中友丈(デザイン・建築学課程B4)
西村雄介(デザイン・建築学課程B4)
長野拓生(デザイン・建築学課程B3)
藤原寛奈(デザイン・建築学課程B3)
2018年度
駒井涼(デザイン学専攻M3)
Atheer Alsoghayer(デザイン学専攻M2)
田中友丈(デデザイン学専攻M1)
西村雄介(デデザイン学専攻M1)
藤原寛奈(デザイン・建築学課程B4)
徳永直子(デザイン・建築学課程B4)
瀬戸丸美幸(デザイン・建築学課程B3)
樋川雄飛(デザイン・建築学課程B3)
2019年度
田中友丈(デデザイン学専攻M2)
西村雄介(デデザイン学専攻M2)
石田航平(デデザイン学専攻M1)
金子実怜奈(デデザイン学専攻M1)
徳永直子(デデザイン学専攻M1)
藤崎史織(デデザイン学専攻M1)
Rahiman Rahizar(デデザイン学専攻M1)
門脇明日香(デザイン・建築学課程B4)
瀬戸丸美幸(デザイン・建築学課程B4)
綾哲志(デザイン・建築学課程B3)
加藤史耕(デザイン・建築学課程B3)
生島悠二郞(デザイン・建築学課程B3)
中田歩(デザイン・建築学課程B3)
※京都工芸繊維大学在職時(2013-2021)のプロジェクト。()内の表記はいずれも同大学における当時の学年。
協力:
公益財団法人福武財団
犬島くらしの植物園(明るい部屋)
2016-
category : Fieldwork, New Narrative, Media Design
A Stitch in Time
インタラクティブ・メディア Interactive Media Design
個人が撮影・記録した写真に対して,地域コミュニティの記憶を「縫い付ける」インタラクティブな編集アーカイヴ
英国のことわざ ”A stitch in time saves nine.”(「ほころびは,小さなうちに繕えば,手遅れにならない」の意)に着想を
得たプロジェクト。ここでは,地域に眠る,個人が撮影・記録した映像メディア(家族写真,町の日常や非日常を捉えた画像
等)に公共的な価値を見いだし,そこにコミュニティの構成員それぞれが持つ記憶を「縫い付ける」インタラクティブなシス
テムの提案と,それを介したコミュニケーションの場の提供を行いました。これは京都府北部で展開している,世代間交流や
地域に新しい物語を構築するソーシャルデザインプロジェクトの一端を担うものです。
コンセプトデザイン+ディレクション:池側隆之
プログラミング:RAMIREZ ARCE DAVID JULIAN(M2)
グラフィックインタフェース:西村雄介(M1)
サウンド+アニメーション:駒井涼(M2)
※京都工芸繊維大学在職時(2013-2021)のプロジェクト。()内の表記はいずれも同大学における当時の学年。
本プロジェクトをまとめたドキュメンテーション(パンフレットPDF)
2018
category : Fieldwork, New Narrative, Interactive Media
Yuragawa VR
ヴァーチャルリアリティ Virtual Reality
地域コミュニティの証言をベースにした,過去と現在を取り持つVRコンテンツ
2016年度に京都府福知山市大江町で展開した「映像ミュージアム・プロジェクト」は,8ミリや写真など主に個人が20世紀に
撮影・記録した映像群を公共財と位置づけ,そこに映し出された,大きな歴史に回収されない貴重な個々の物語に価値を見いだ
しながら,それらが現代のコミュニティの中で新しい物語を紡ぎ出すための手段となり得るかを,住民や高校生らと行う,いく
つかの協働プログラムを通じて検証・社会実装するものです。その一つのプログラムである「由良川VR」は,京都府北部を流れ
る由良川を題材にしています。360°全方位カメラで現在の由良川を記録する作業を行い,また同時に得られた昔の水害の写真を
活用して,過去と現在双方の大江町を体験できるVRコンテンツを制作しました。大文字の歴史には回収されない,由良川と生活
の関係に触れて,鑑賞者それぞれが自らの生活環境での「抗い方(=生き方)」について考えられるコンテンツを目指しました。
コンセプトデザイン:池側 隆之
コンテンツデザイン:吉田 拓矢(M1),黄 観冠(M1)
サウンドデザイン:大迫美咲(M1)
映像デザイン:駒井 涼(M1)
※京都工芸繊維大学在職時(2013-2021)のプロジェクト。()内の表記はいずれも同大学における当時の学年。
2017
category : Fieldwork, New Narrative
・「映像ミュージアム・プロジェクト」のドキュメンテーション(パンフレットPDF)
・このVRコンテンツを含むプロジェクト全体の紹介動画はこちら(vimeo)
folding/unfolding
リサーチ映像データベース Research Database
「折る・畳む・広げる」に関するリサーチ映像閲覧システム
池側研究室はKYOTO Design Lab 主催のプログラムとして,世界的なメディアアート研究機関として知られるARS
ELECTRONICA(オーストリア)より,折り紙の構造とロボティクス(機械工学)を融合を目指すアーティスト/研究者
を招聘し,2016 年3 月に[ORI* CODE FOR MATTER]をテーマとしたレクチャー,ワークショップ,展覧会を大学
で開催しました。それに先駆け,2015 年の夏からテーマ[folding/unfolding(折る・畳む・広げる)]に基づくリサ
ーチ活動を開始しました。ここでは映像による取材・調査をメインに捉え,この活動を通じて私たち自身が
「folding/unfolding」に関する文化・技術などに対する理解を深めることを第一の目的としています。このリサーチの
成果は3 月のプログラムのひとつである展覧会[ORI* CODE FOR MATTER: research & development]に誰
でも自由に閲覧可能な映像データベースとなりました。これはリサーチとデザインなどの創造的活動とを架橋するコン
テンツ集であり,アイデアに直感的にリンクするリソース集のあり方を考察する資料(プロトタイプ)として今後活用
していく予定です。
コンセプトデザイン:池側 隆之
インタフェースデザイン:陳 維錚
映像:青山 太郎(D2),程 遥(D3),大迫 美咲(B4),白數 梨音(B4),吉田 拓矢(B4),李 寿元(B4),鶴田 大翔(B3),岩本 あかり(B3),堀井 映理(B3),黄 観冠(研究生)
協力:駒井 涼(B4),小川 晶弘(B4)
※京都工芸繊維大学在職時(2013-2021)のプロジェクト。()内の表記はいずれも同大学における当時の学年。
2016
category : Fieldwork, Design Anthropology
Animation + Digital Fabrication
ワークシップデザイン Workshop Design
デジタルファブリケーションを活かしたキット制作とワークショップのデザイン
娯楽の受容や生活情報の入手,あるいは個人のコミュニケーション手段として,現代では映像を介した情報の授受はさまざ
まな様態を呈しています。また,映像と向き合うためのデバイスは 完全にブラックボックス化しており,そこで私たちは大
量の「イメージ」と接触しますが,それはあくまで「間接的経験」の機会が増えたに過ぎません。このような状況を受け,本
ワークショップでは,映像そのものが成り立つために必要な「機構(仕組み)」を前景化させ,「イメージに触れる」という
ことをあえて「直接的体験」の中から経験し,その価値を共有することをコンセプトに設定しました。そこで今回は,原初の
視覚玩具の発達過程に見られるような,知覚への飽くなき関心を巡る,人類の歴史を参照しながら,ワークショップ提案を行
いました。ゼミではワークショップの内容と構成を検討し,スムーズな展開と興味の広がりに役立つワークショップ用のキッ
トをデザインしました。キットはデジタルファブリケーションを活かし制作し,学生らはワークショップというエデュケーシ
ョンコンテンツを準備すると同時にそこで必要なプロダクトもデザインしたということになります。
2015年度担当:大迫美咲,白數梨音,吉田拓矢
2016年度担当:溝端友香,西村雄介,田中友丈,籾田ちなみ,新井結菜,吉田拓矢,駒井涼
2017年度担当:Atheer Alsoghayer ,金子実怜奈,徳永直子,藤原寛奈,長野拓生
2018年度担当:門脇明日香,瀬戸丸美幸,樋川雄飛
2019年度担当:綾哲志,加藤史耕,中田歩
2020年度はCOVID-19の影響で中止
2021年度担当:岡田凌,大田彩香,加藤有希菜,代末奈菜
※京都工芸繊維大学在職時(2013-2021)のプロジェクト
2015,2016,2017,2018,2019,2021
category : Workshop
CREATIVE DESIGN CITY NAGOYA
都市プロモーション映像 Promotional Film
国際的な創造都市間連携をはかるための映像コンテンツ
文化の多様性の保護を重視しているユネスコが,国際的な連携・相互交流を支援するために,「クリエイティブ・シティ
ズ・ネットワーク」を推進し,名古屋市はデザイン分野への加盟が認定されています。ここでは,海外ネットワーク都
市およびユネスコとの連携の必要な情報提供の一環として,名古屋市を国内外に紹介する目的でPR映像の企画および制作
を担当しました。今回はチーフ・ディレクターとして,デザイン統括も行いました。
池側隆之・伏木啓 /Dirs
白澤真生/ Motion Graphics
原摩利彦/ Music
株式会社国際デザインセンター/ 企画・制作
6min
※名古屋大学在職時(2007-2013)のプロジェクト
2012
category : Films
ユネスコ・デザイン都市なごや / Nagoya, UNESCO City of Design紹介動画(YouTube)
Ways of Making and Knowing
ドキュメンタリー Documentary Film
展覧会のためのインスタレーション映像
池側隆之 /Dir
30min
ファン・デ・ナゴヤ美術展2013
『のこりもの』-世界の性質:残るということについての研究-
名古屋市文化基金事業 ファン・デ・ナゴヤ美術展2013に選出された企画展「のこりもの 世界の性質:残るということについ
ての研究」(後援:南山大学人類学研究所)において,現代美術作家の制作現場に密着したドキュメンタリー作品を発表しまし
た。創作者がモノ作りの過程で「確かさ」を得る術を如何に獲得して,それをどのように次工程に繋げているのかを記録し,観
察映画(Observational Cinema)的な手法でまとめました。
ファン・デ・ナゴヤ美術展2013実行委員会,公益財団法人名古屋市文化振興事業団 /主催
山崎剛 /企画
南山大学 /後援
日本紙媒体学会 /協力
※名古屋大学在職時(2007-2013)のプロジェクト
2013
category : Films
Old Tennou Reservoir
アートディレクション Art Direction
産業遺産とアート表現の融合
池側隆之 /Dir
青井弘之 /Pr
陳維錚(写真2),片桐功敦,曽我部哲也 /Artists
日本の近代化を支えた産業遺産の活用がまちづくり等に重用視される中,大阪府堺市にある登録指定文化財「旧天王貯水池」
を活用したイベントの企画を依頼されました。「旧天王貯水池」は明治43年という近代の比較的早い時期に落成し,昭和37
年まで使用されていた堺市の上水道施設で,煉瓦(+コンクリート)造の5つに区切られたヴォールト架構からなる貯水槽を
有します。ここでは,歴史的建造物の有効活用に関する検証を行うために,映像メディア表現(メディアアート)と空間の
融合を目指したイベントの総合ディレクションを担当しました。
旧天王貯水池一般公開及び造形展
けやき通りまちづくりの会 /主催
堺市,堺市教育委員会,堺商工会議所,朝日新聞社,堺観光ボランティア協会 /後援
登録有形文化財・旧天王貯水池(大阪・堺)
※名古屋芸術大学在職時(2002-2007)のプロジェクト
2006
category : Media Art, Site-Specific Art
landed
アニメーションによるインスタレーション Animation Installation
産業遺産とアート表現の融合
焼き物の街として知られる愛知県常滑市で開催された「常滑アート&デザイン工場」にておいて,歴史的な場所性を活かした
サイトスペシフィックな映像インスタレーションをアニメーション作家と共同で制作・発表しました。またプロジェクトに
参加した学生らは,常滑のフィールドワークで着想を得た映像作品やインスタレーションを市内の各所で上映・発表しました。
池側隆之 /Dir
松藤弥生 /Animation
常滑アート&デザイン工場
rin' /主催
名古屋芸術大学 /共催
常滑市観光協会常滑支部 /後援
※名古屋大学在職時(2007-2013)のプロジェクト
2007
category : Media Art, Site-Specific Art
Public Information Films
環境コミュニケーション Environmental Communication
フィールドワークから公共CMに相応しいメッセージの在り方を検討する
池側隆之,山下博美 /Dir
名古屋大学 メディアプロフェッショナルコース
このプロジェクトは,単に専門家の知識(メッセージ)を,ある種,啓蒙的に映像を介して一方向的に伝達するのではなく,
環境が今どういった状況に置かれ,それと私たちがどう関係しているのかを知る術として映像メディアの有用性を検討する
という問題意識からスタートしました。したがってこの研究プロジェクトでは,映像の視覚伝達的側面だけに焦点をあてる
のではなく,映像制作がもたらす環境認知とその情報の共有性について検証を行うという側面を優先しました。そして干潟
というフィールドでの調査や周辺環境に住む人々へのインタビューを題材に,公共CMを多数制作してコンペに出品しま
した。また2年のプロジェクトを論文(下記リンク)にまとめました。
下段写真左 「干潟の秘密はヒミツにできない」監督:ウォン・イー・リー(M1)
下段写真右 「その足元は,いのち」監督:西尾祥子(M2)
※名古屋大学在職時(2007-2013)のプロジェクト
「環境コミュニケーション創出のためのエスノグラフィック・リサーチ ——干潟と周辺環境のフィールドワークから」
『メディアと社会』第6号,pp.39-53. 池側 隆之, 青山 太郎, 山下 博美. 2014.03
2010-2014
category : Design Education, Films
“Hou Hsiao-hsien's prism of poetics and time”
書籍 Book
映画監督との座談会
pp.191-216, あるむ
座談会/侯孝賢+朱天文+葉月瑜+盧非易+池側隆之 司会 藤木秀朗
1980年代に台湾ニューシネマの騎手として登場して以来,数々の国際映画祭で高い評価を受け,いまや世界に名高い巨匠
として知られる映画監督・侯孝賢。2011年6月に同監督を招いて名古屋で開催された座談会に参加しました。内容は上記の
本に収録されています。
台湾映画祭+シンポジウム―侯孝賢の詩学と時間のプリズム―
愛知芸術文化センター、名古屋大学大学院国際言語文化研究科、台湾行政院文化建設委員会、財団法人自由思想学術基金会 /主催
愛知県文化情報センター /企画
※名古屋大学在職時(2007-2013)のプロジェクト
2012
category : Symposium, Publishing
Our River Story
科学コミュニケーション Science Communication
万国博覧会でのミュージアムコンテンツ
「21世紀のリバーストーリー」と題する科学コミュニケーション・プロジェクトでハイビジョン大型映像の企画および制作を行い
ました。プロジェクトでは「多中心」をコンセプトに,川物語をデジタル技術を駆使して表現し,人間だけではない,動物の視点
を通した多様な川風景の提示を行いました。作品は「愛・地球博(愛知万博)」の「地球の授業」で発表しました。また翌年,
同素材・同テーマでDVDの作成も行いました。
池側隆之 /HD Video Dir
近清武 /Pr
中村俊介/インタラクティブシステム
多胡光純/パラグライダー撮影
愛・地球博
※名古屋芸術大学在職時(2002-2007)のプロジェクト
2005-2006
category : Science Communication
Animation Production and Design Thinking
デザイン方法論研究 Design Methodology
デザイン教育におけるアニメーション制作の位置づけ
名古屋芸術大学デザイン学部のアニメーション制作実技に参加した視覚伝達系学生に対して半構造的インタビューを行い,そ
の内容分析から,物語性のある作品傾向と非物語的作品傾向を比較した場合,後者の作業にデザインプロセスに対する高い認
知作用が存在することが確認されました。これにより,デザイン教育におけるアニメーション制作が,時間軸を有した視覚伝
達手段の獲得という目的だけでなく,デザインプロセス認知を促すプログラムとしても有用であることが明らかになりました。
詳しくは下記論文をご参照下さい。
池側隆之 /学術論文
「デザイン教育におけるアニメーション創造工程に関する研究:デザインプロセスの客観的視覚化」
『認知科学』第17巻3号,pp.430-443
※名古屋芸術大学在職時(2002-2007)のプロジェクト
2010
category : Cognitive Science, Design Thinking
『世界をきちんとあじわうための本』
書籍・展覧会カタログ Book, Catalogue
南山大学人類学研究所との協働
南山大学人類学研究所「『作ること』と『知ること』:世界をつかまえる新しい方法」(2011-2012)は,モノとヒト
との関係やその動態を,様々な時間サイクルの中でとらえることによって,モノ研究の新たな地平を開拓することを目的
に,考古学者,人類学者,ガラス作家,美術作家,料理専門家,写真家,デザイナー,デザイン研究者らが関わり,様々
な考察を行う 研究プロジェクトです。私たちが日々生きる世界に,道具や生活習慣等から,普遍的な問題を見いだそうとす
る人類学者と,芸術というアプローチで,同じく世界の本質に迫るアーティストによる共同研究が多様に展開されました。
このプロジェクトで当研究室は「中間創造物」をテーマに考察を深め,最終的にはドキュメンタリー映像とインスタレー
ション作品を制作発表しました。またその成果をまとめた書籍(上記リンク)には,新たに論考を提供しました。
執筆:山崎 剛 / 柳澤 田実 / 池側 隆之 / 坂井 信三 ほか
写真:山田 亘
装丁:長尾訓寿(長尾デザイン)
※名古屋大学在職時(2007-2013)のプロジェクト
記録集『世界をきちんとあじわうための本』について
2014
category : Publishing, Cognitive Science, Design Anthropology
「サスティナビリティー未来に向けてわたしたちができること」
シンポジウム Symposium
ユネスコ・クリエイティブ・デザインシティ加盟記念イベント
ユネスコ・クリエイティブ・デザインシティのネットワークへの加盟を果たした名古屋で年次総会が開かれました。プログ
ラムの一つとして,サスティナブルをテーマとしたシンポジウムが行われ,そこでモデレーターを務めました。また国際若
手デザイナーワークショップにも関わり,人類学者の山崎剛さんと「映像デザインチーム」を組んでディレクターを務めま
した。最終的にチームは「名古屋への入り口」をテーマに作品を完成させました。
写真2 映像デザインチーム作品「スカイライン」
基調講演/
ジョン・ウッド
ロンドン大学ゴールドスミスカレッジ デザイン学部教授
パネルディスカッション
ゲストスピーカー/
ドヨン・リー
マルコス・アマデオ
イェルク・ズアマン
マリー ジョゼ・ラクロワ
井上隆文
王 小明
伊藤恭行
モデレーター/
池側隆之
WSディレクター/
リン・パンソン
チェ・キョンラン
アンソニー・ガンジュウ
山田 亘
村田 仁
三宅 一成
池側隆之
山崎 剛
小谷 恭二
クリエイティブ・デザインシティなごや2009
クリエイティブ・デザインシティなごや推進事業実行委員会 /主催
(構成団体:名古屋市・名古屋商工会議所・株式会社国際デザインセンター・中部デザイン団体協議会)
経済産業省中部経済産業局後援:愛知県 /共催
※名古屋大学在職時(2007-2013)のプロジェクト
2009
category : Workshop, Symposium
Environment and Public Information Films
シンポジウム Symposium
名古屋大学野依記念学術交流館で開催した,公益社団法人ACジャパン,日本海洋学会 後援による学際イベント
映像による環境広告に関するシンポジウムを企画しました。ここでは広告の仕組みを社会貢献に活かすため40年前に設立さ
れたACジャパンの江川建男名古屋運営委員会副委員長が,歴代の環境に関する映像広告とその社会背景の考察を行い,また
様々なメディアを駆使して社会マーケティングに取り組むマエキタミヤコ サステナ代表が,「市民語」の使い方を含めた環
境メッセージ伝達におけるコツと映像発信の可能性について講演されました。さらに名古屋大学山下洋美特任准教授が,環
境コミュニケーションのアプローチについて紹介し,池側と名古屋大学メディアプロフェッショナルコース「フィールド情
報編集論」受講の大学院生が,エスノグラフィック・リサーチに基づいた研究成果として,2010年より展開している干潟
の環境広告制作についての発表を行いました。同時に会場では,ACジャパン(旧公共広告機構)がこれまで手掛けてこら
れた新聞メディアの公共広告をお借りし,展覧会も行いました。
名古屋大学国際言語文化研究科メディアプロフェッショナルコース,
名古屋大学グローバルCOEプログラム「地球学から基礎・臨床環境学への展開」/共催
公益社団法人ACジャパン,日本海洋学会 /後援
ポスターデザイン:白澤真生
※名古屋大学在職時(2007-2013)のプロジェクト
2012
category : Symposium,Films, Design Practice